こんにちは!GRASPANCの三浦です。
今回は、自分の商品・サービスを「売れる」ようにするためには、どのような「売り方」をすべきなのか、ということについて考えていきたいと思います。
これまで、「売れる商品の条件」シリーズで「売れる商品・サービスにするためには何を考えるべきか」ということをお話ししてきました。そのブログを読んでいただいて(または読む前から)、「価値や、ターゲット、フィールド・環境、競合、強み、セールスレターを熟考し、設定しているけど、売れない!」という方は、もしかすると「売り方」を再考した方がよいのかもしれません。
この記事を読みながら、ぜひ、「売り方」について一緒に考えてみていただければと思います!
目次
1.商品・サービスが「売れる」までに通る道のり
まずは、商品・サービスが「売れる」までの道のりについて一緒に考えていきましょう。
これも、佐藤義典先生の「マインドフロー」というフレームワークを用いて考えていきたいと思います。
商品・サービスが売れるようになるためには、
お客様に商品・サービスを……
知ってもらう→購入してもらう→使用・利用してもらう→好きになってもらう、という流れを、好循環にまわす必要があります。
マインドフローでは、この流れを下記の7ステップに定義しています。
①認知
お客様に商品・サービスを知ってもらう段階。
②興味
知ってもらった後に、その商品・サービスに興味を持ってもらう段階。
③行動
興味を持ってもらった後に、その商品・サービスについてより理解を深めるために行動してもらう段階。
④比較
理解を深めてもらった後に、競合と比較をする段階。
⑤購入
比較された後、購入をしていただく段階。
⑥利用
購入後、商品を使用したり、サービスを利用してもらったりする段階。
⑦愛情
使用・利用してもらった結果、その商品・サービスを好きになってもらう段階。
「行動」と「比較」を同時にすることはありえますし、お客様によっては「比較」をしないという方もいらっしゃいますが、どのような商品・サービスも基本的には、この7ステップを通るかな、と思います。
最後に好きになってもらうことで、その商品の良さが広がっていき、売れるようになる、というところがポイントです。
また、どのような商品・サービスも、基本的にはこの①~⑦を“順番に”クリアしていくことで初めて、好きになってもらえる、ということもポイントです。
2.マインドフローの7ステップをストーリーを描きながら想像してみよう!
マインドフロー7ステップの基本的な考え方が理解できましでしょうか?
理解できたら、次はこの一連の流れを、ターゲットとして設定したお客様像を意識しながら、どのように①~⑦をお客様が通っていくのかをイメージしてみましょう。
下記で、テレビの購入を例にとって考えてみます。
<お客様プロフィール>
30台前半男性。家族構成は妻と子どもが一人。営業職として働いており、朝7時には家を出て夜22時ころに家に帰ってくる。テレビを購入して10年がたち、そろそろ画面サイズが大きいものに買い替えたいと考えている。スポーツ番組や映画が好きだが、仕事が忙しいため、テレビを見るのは、夜帰ってからの1時間と土日の休日である。
①認知
ある日、バラエティ番組を見ていて、「今がテレビの買い替え時」ということを知る。かねてから、「そろそろテレビ買い替えたいなぁ…」と思っていたので、本気でテレビを替えようと思ってきた。そこで、インターネットで現在使用しているメーカーA社のホームページを見て、画面サイズの大きい数機種について知った。
②興味
A社の製品を調べてみると、過去数日間の全番組を常に録画をしているため、いつでも好きな時に過去にさかのぼって番組を見れるという機能があり、興味が出てくる。「これだと、平日仕事をしていて録画できなかった番組も、土日に見ることができるなぁ。」と使用イメージをすることでどんどん興味が湧いてくる。
③行動
日曜日。家族と一緒に家電量販店に現物を見に行く。調べていた機種の現物を見て、店員からも説明を受ける。「やっぱりA社のものがいい気がするなぁ。でも、金額は高いし、ずっと使うものだから、別の機種の説明も受けて判断したいなぁ。」と、別のメーカーの説明も受けることにする。
④比較
家電量販店で他メーカーの機種の説明も受け、悩み始める。「機能はA社がいいけど、見た目はB社のがかっこいいなぁ。音質はC社がいい気がする。悩むなぁ。。。」
⑤購入
悩んだ末、最初にいいと思っていたA社のものを購入することにする。「やっぱり、いつでも過去の番組を見れるのはすごく便利だからA社のものにしよう。見た目はいつか飽きるだろうし、音質はいつかホームシアターセットを買い足せばいいや。」
⑥利用
購入したテレビが家に届き、使用しはじめる。「お、届いたなぁ。家に届いてみると、お店で見た時より大きいな。スポーツや映画は、迫力があってすごく楽しめそうだ!早く見たい!」
⑦愛情
使用し始めて1か月。愛情を持つ。「過去にさかのぼって見れるのは本当にいい。あれ録っとけばよかったな、と後悔することがなくなったし、暇なときにおもしろそうな番組を探して見れるから、余暇を楽しめるようになった。子どもが泣き始めた時は、アニメを探して見せると泣き止むしね。」この製品に大満足したため、ネットの比較サイトに良い評価のレビューを書く。
上記のように、イメージを膨らませてみるとよいでしょう。
この時のポイントは、ターゲットが各段階でどのような気持ちになって、どのような行動に出ているか、というところまで想像するということです。ここの想像をすることで、お客様の行動シーンや利用シーンを具体的に考えることができます。
3.7ステップに合わせた戦略を練ってみよう!
7ステップ各段階のお客様イメージができたら、各段階でどのようなアプローチをお客様にすれば、その段階をクリアしてもらえそうか、を考えて、実践してみましょう。
この時のポイントは、その商品・サービスを、「特徴」「広告・販促」「販売方法・場所」「価格」に分けて考えるということです。各段階でこれらすべてを考える必要はありません。必要なものを考えればよいです。
先ほどのテレビの例を使って、実際に考えてみましょう。
①認知
<特徴>
他メーカーにはない機能で差別化をはかる。この製品でいうと、「過去数日間の全番組を録画できる」という機能。今までにない機能を見せることで、興味を沸かせるようにする。
<広告・販促>
テレビCMで大々的に広告をする。その際に、<特徴>にあるような、他メーカーとの差別化ポイントとお客様が感じられる価値をわかってもらえるようにする。ホームページ上でも、この価値が伝わる仕掛けをする。
②興味
①認知と同様。
③行動
<広告・販促>
店舗では、「数日間録りためたものから選んで視聴する」ということを実際に体験してもらう。「店舗で体験し、違いを実感してください」ということを伝えていく。
④比較
<広告・販促>
「この機能があるのはこの製品だけ」ということを知ってもらう。
また、販売員から、「この機能があることで、日常シーンでこれまでとは違うどういった使い方ができるようになるか(「放送前に録画予約しなくても、放送した後に見たいと思った番組を探して見る、という新しいテレビの楽しみ方をしてもらえる」「録画し忘れで後悔するということがなくなる」などのお客様の感じられる価値を説明してもらうようにする。
使用後に、他メーカーのものを購入した場合と比べ、どういった部分で実感する価値に違いが出るか、を使用後イメージを説明しながらで、疑似体験してもらう。
<価格>
他メーカーとの大きな差別化ポイントがあるにもかかわらず、価格に大きな差を出さない。この製品の価格帯に興味を持つ層が、どのような生活(とくに金銭面)をしているかを調査し、いくらまでなら他社製品より金額が高くても、価値を感じてもらうことで購入に踏み切るか、を分析し、価格を決定する。
⑤購入
<販売方法・場所>
家電量販店で商品を確認したのち、ネット通販で安く購入する、という方も増えているので、ネット通販業者にも卸すようにする。また、価値の体感説明をうまくしてくれる、大手通販番組にも卸せないか話してみる。
⑥利用
<特徴>
「過去にさかのぼって番組を探す、見る」ということを、直感的にできるようにリモコンのボタン配置や画面遷移を工夫する。
⑦愛情
<特徴>
独自の機能をマネされないように特許をとる。
<広告・販促>
購入していただいたお客様専用のメールマガジンを配信する。メールマガジンでは、登録時に選択してもらった「興味のあるジャンル」に関わるおススメ番組情報を紹介するのと、その番組の、製品機能を使った楽しみ方(利用シーン)を紹介する。
それぞれの段階で、どのようなアプローチをお客様にすると、お客様に価値を感じてもらえ安くなるか、を考え実践してみましょう。
今回の記事はこれで終わりです。
売れ行きが悪くて悩んでいる方はぜひ試してみてください。