こんにちは!GRASPANCの三浦です。

今回から6回シリーズで、「売れる商品の条件」について記事を書きたいと思います。 現在、商品・サービスを販売していて、「イマイチ売上がよくないなぁ」「購入はしていただけるんだけど、お客様満足度が高くない」などのお悩みをお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

今回は、「自社商品の『価値』について考えてみる」というテーマです。 自社の商品・サービスを思い浮かべ、「うちの商品は〇〇だなぁ」というイメージをしながら、一緒に考えてみましょう!

1.商品・サービスの「価値」って何?

まず、商品・サービスの「価値」ってそもそも何だろうか?ということについて考えていきたいと思います。

例えば、洗濯洗剤。洗濯洗剤の「価値」って何でしょうか?
ここで、「衣服などを洗濯し、きれいにすること」という答えが思い浮かんだ方は、もう一歩踏み込んだ「価値」を考えてみましょう。

「価値」とは、「『お客様』が感じる利益(喜びやうれしさ)」です。そのため、お客様がどのように捉えるかによって同じ商品であっても「価値」は変わってきます。また、お客様が求める「価値」によって同じカテゴリーの商品であっても選ばれるものが変わってきたりします。

洗濯洗剤の価値は、「汚れを落としてくれる」という「価値」を感じる人にとってはそれが価値になりますし、「臭いをとってくれる」という「価値」を感じる人にとってはそれが価値になるわけです。

ただし、洗濯洗剤の場合は、これら2つの「価値」はほとんどの人がどちらに対しても価値を感じていますし、求める価値となっていますよね。

そのため洗濯洗剤のメーカー各社は、これら以外の部分に価値を感じてもらいたいと思い、その他の価値に特化した商品を販売しています。

例えば「とにかく経済的に洗濯をしたい」というように「経済性」に価値を見出すお客様に対しては、「柔軟剤入り洗剤」のような、柔軟剤を別途購入する必要がない商品を販売していたり、「すすぎ1回洗剤」のように、すずぎが1回で済み、水の使用量を抑える商品を販売したりしています。

その他にも、「部屋干しの生乾き臭をおさえたい」というお客様に対しては、「部屋干し用洗剤」を販売していますし、「親の介護をしていて、衣服に付いた尿の臭いをとりたい」というお客様に対しては、消臭に特化した洗剤が販売されています。

また、最近では、「ラクさ」に特化した商品として、洗剤の量を測らなくても、「4kgの洗濯物には1プッシュでOK」というような、プッシュ式の洗濯容器を開発して、ラクさを追求した商品も出ています。

このように、洗濯洗剤1つとっても、お客様によって求める価値が異なりますし、求める価値に合わせた商品が販売されているわけです。

では次に、フィットネスジムの「価値」は何でしょうか?
まずは皆さん、一度ご自分で考えてみて続きを読んでみてください。

フィットネスジムの価値は、「ダイエットを行えて、健康な体になる」であったり、「筋肉ムキムキのかっこいい身体になる」であったりですね。

お客様にとっては「他の利用者やインストラクターと楽しくお話しする」ということに価値を感じていらっしゃる方もいるかもしれません。これら、「お客様が感じる利益」がフィットネスジムの「価値」となるわけです。

フィットネスジムもターゲットとするお客様にあわせて様々な独自の価値を生み出しています。

某有名フィットネスジムのような、「週2回3カ月が432,000円だけど、確実になりたい体になれる」という価値を提供するジムもあれば、「月3,000円で好きなだけ通える」という価値を提供するジムもあります。それぞれ、お客様が「価値」と感じれば選ばれますし、「価値」と感じなければ選ばれないわけです。

もう1つ考えてみましょう。カフェの「価値」は何でしょうか? これは様々な「価値」が考えられます。 これも一度ご自分で考えてみてください。

「のどの渇きを潤してくれる場所」「スイーツを楽しむ場所」「お腹を満たしてくれる場所」「時間つぶしの場所」「おしゃれに仕事をするための場所」など様々あります。カフェの価値は、利用するお客様(人)によって変わってきますし、TPO(いつ、どのような場所で、どういう状況なのか)によっても変わってきます。

同じ人であっても、仕事中であれば、「お客様との打ち合わせ場所を提供してくれる」という価値を感じるかもしれませんし、デート中であれば、「おしゃれに雰囲気良くランチをとれる」という価値を感じるかもしれないということです。

このように、「価値」はお客様(人)によって違うし、TPO(いつ、どのような場所で、どういう状況なのか)によっても変わってくる、ということを覚えておきましょう。

あなたの商品・サービスは、お客様に対してどのような価値を提供しているでしょうか。そして、あなたが「提供している」と思っている価値と、お客様が感じている価値にズレはないでしょうか。今一度その部分を考えてみて、ズレがあるようでしたら、何かしら改善の余地あり、かもしれません。

2.機能的価値と情緒的価値

では次に視点を変えて、価値を2種類にわけて考えてみましょう。価値には大きく分けて「機能的価値」と「情緒的価値」に分けられます。

「機能的価値」とは、その名の通りその商品が持つ、機能に関する「価値」です。スピードが速い、使いやすい、便利な機能がある、高性能、見やすい、などです。

「機能的価値」は数値化できるものが多いため、「良いor悪い」で判断できます。 例えばプリンターの価値の一つとして、「印刷スピードが速い」という価値がありますが、これは「1分間に何枚印刷できるか」といった数値で判断ができますし、パソコンに関しても処理速度という形で数値化できます。 数値化できるということは、容易に他の製品と比較でき、「良いor悪い」で判断ができる、ということです。

そのため、競合の商品と比べて数値が高いものの方が、機能的価値が高い、といえます。機能的価値で勝負をする場合は、競合の商品よりも数値が高いことが、売れる商品の条件となります。

次に「情緒的価値」について考えてみましょう。

「情緒的価値」とは、美しい、かっこいい、思い出深い、優越感、所有欲を満たす、などの感情に訴えかける価値のことをいいます。

「情緒的価値」は「好きor嫌い」で判断でき、数値化することが難しいものが多いです。 例えばAppleの製品(iPhoneやiMacなど)は製品自体が「かっこいい」「おしゃれ」であったり、「所有欲を満たす」「Windowsではなく、Macを使っている自分がかっこいい」など、様々な感情に訴える価値を提供してくれます。

現代では、「機能的価値」での差別化が難しく、「情緒的価値」で差をつける必要が多くの場合あります。あなたの商品・サービスの機能的価値、情緒的価値はどのようなことがあげられるでしょうか。

3.あなたの商品・サービスの価値を見直してみましょう!

ここまで、「価値」について、考えてきました。

ここで改めて、あなたの商品・サービスの「価値」についてまとめてみましょう。

あなたの商品・サービスは、どのような欲求を持つ人に対して、どのような時、どういった場所で、どのような状況で、どのような価値を提供しているでしょうか。

あなたの商品の機能的価値、情緒的価値にはどのようなことがあげられるでしょうか。

これらの「価値」をお客様は感じてくださっているでしょうか。異なる価値を感じていることはないでしょうか。

また、購入前・利用前のお客様が、あなたの商品・サービスに関する広告物を見たり、商品説明を受けたりした際に、あなた自身が、その商品・サービスに対して思っている価値を「得られそうだ」と感じるようになっているでしょうか。

売れる商品であるためには、あなたが商品・サービスに対して思っている「価値」とお客様が感じている「価値」、見込み客が「得られる」と感じる「価値」に一貫性がとれている必要があるのです。

もし、「価値」に関して不安や悩みがある場合は、ぜひGRASPANCにご相談ください!

次回は、「売れる商品の条件②:『顧客ターゲット』を具体的に決めよう!」というタイトルです。 今回の記事でも、「お客様」に関して触れることがありましたが、次回の記事ではその「お客様」に絞って、売れる商品の条件を考えていきたいと思います。