今回は新商品開発シリーズの最後、販売促進、について一緒に見ていきたいと思います。

新商品開発については下記の流れで話をしてきました。

  1. 新商品の発想とコンセプト設定
  2. 新商品の顧客と価値
  3. 新商品の強み
  4. 新商品の競合と価格設定
  5. 新商品の販売促進

これまで考えてきたことを踏まえて、「ではそれらをどのようにしてお客様に発信し、集客につなげていけばよいか」という部分についてお話をしていきたいと思います。

1.ターゲット顧客にあわせた戦略を考える

販売促進も、原則これまで調査・分析してきたことを前提としながら考えていきます。

まずはターゲットとする顧客についてです。お客様がどのような人なのかによって集客のためのツールや方法は変わってきます。

前回までのハンバーガーを例にとると、ターゲットは昼休憩のランチとして選んでもらえそうな方でした。そうであれば、最寄り駅前などでチラシを配布したり、周辺の会社に営業にいってもよいかもしれません。

また、来店いただいたお客様に販促物をお渡しするのも効果的かもしれません。

チラシをお渡ししたり、カードタイプの割引券等でもよいかもしれないですね。

そしてこのターゲットであればスマホも気軽に使うと思いますので、紙の販促物の中にはホームページにアクセスできるようにQRコードを設けておきます。

ホームページではSNSにアクセスできるようにし……。という形で、さまざまな媒体がつながるようにしておくとよいでしょうね。

これが、メインが高齢者という場合は少し違った方法になるかもしれません。スマホに慣れ親しんでいない層になれば、新聞折込やポスティングなどが効果的であったり、販売する商品によっては、スーパーなどでのイベント開催もよいでしょう。

2.販売促進を物語で考えてみる

販売促進を考える際も、ターゲットとするお客様を中心とした物語で考えるとよい場合があります。顧客のプロフィールを考えたときみたいに、です。

そして、物語を考える際は、商品について、認知し→興味を持ち→実際に行動に移し→競合商品と比較し→購入し→利用する、という流れで、各項目でどういうストーリーが考えられるかを考えていきます。

そしてそのストーリーの中では、お客様がどのような行動をするか(してもらいたいか)、どのような感情の動きがあるか(感情になってもらいたいか)、も考えます。

ハンバーガーを例にとると、

●認知するストーリー

・朝通勤時に駅前でチラシを配っていて受け取って知った。
・会社の棚の上にチラシが置かれていて知った。
・通勤中、SNSを見ている中で友人が共有していて知った。
・通勤時、店の前を通って新メニューが発売されていることを知った

<行動>
・チラシを受け取り中身を確認する
・友人のSNSを見る

<心の動き>
「おいしそうなハンバーガーだなぁ」
「すごいボリュームがありそうだなぁ」
「会社からすぐだな」
「700円なら払えるな」
「今ならお得に購入できるな」
「ハンバーガーに800円はちょっと高いかなぁ」

●興味を持ち競合商品と比較をするストーリー

・どんなハンバーガーなのか気になりホームページを見てみる
・マクドナルドのハンバーガーとの違いを想像する
・一緒にご飯を食べている同僚に、チラシの話をして興味あるか聞く。

<行動>
・ホームページにアクセス
・競合のホームページにアクセスし、今行ってるキャンペーンや新商品情報を調べる
・同僚に話しかける

<心の動き>
・「実際ボリュームはどれくらいあるんだろう?」
・「肉汁がたまらん…」
・「自分で味も変えられるんだ」
・「マックのハンバーガーと比べて●●だなぁ」
・「マックは今こんなキャンペーンしてるんだ」
・「同僚はあまりボリュームあるものは好きじゃないからなぁ…」

●購入をするストーリー

・実際に店舗に行ってハンバーガーを購入し店内で食べる
・テイクアウトをして食べる
・配達で購入し食べる
・部下に購入してきてもらい食べる

<行動>
・お店に行って食べる
・お店に行き、購入して、持ち帰って食べる
・電話やネットで配達依頼をして購入して食べる
・部下にお金を渡して買ってきてもらって食べる

<心の動き>
・「5分くらいなら歩いて行けるな」
・「テイクアウトしても持ち帰りやすいようになってるなぁ」
・「持ち帰り用の紙袋のデザインがおしゃれでいいなぁ」
・「配達してもらえるのは楽でいいなぁ」
・「ランチタイムは人が並んでいて購入するのに時間がかかりそうだなぁ…」

●利用をするストーリー

・購入したものを食べる

<行動>
・食べる

<心の動き>
・「なかなかボリュームがあっておいしいなぁ」
・「持ち帰っても食べやすいように工夫がされているなぁ」
・「写真と違ってそこまで肉汁があふれてこないなぁ」
・「手が汚れやすいし、具が下に落ちて食べてるときの見た目が汚いなぁ」

上記のような感じです。

そしてここで大切なのが、それぞれの項目で<心の動き>として挙げた部分の黒字のように思ってもらえるように、商品はもちろん販促物も工夫を凝らすということです。

・「こんな風に思ってもらうためには、商品をこうしておいた方がいいなぁ」
・「商品の梱包はこういう風にしよう」
・「チラシにはこんなことを記載しておかないとこんな風に思ってもらえないなぁ」

上記のような感じで、工夫を凝らしていきます。

そしてもう一つ大切なのが、上記で赤字にしている部分です。赤字部分は想定しうるネガティブな感情です。このネガティブな感情が起こらないように、商品や販促物を工夫することも大切です。

3.販売開始後も改善をしていく

新商品は販売をすることがゴールではありません。販売をし、お客様に利用をしてもらって、その商品のことを好きになってもらう(商品のファンになってもらう)ことが大切です。

そのため、販売を開始したら売りっぱなしにするのではなく、お客様や知り合いに利用してみてもらってフィードバックをもらうようにしましょう。

フィードバックの中で改善点があれば、改善をしていきます。

また、お客様にリピートをしていただくための施策も考えて実施していきます。

リピートについてはまた別の機会に記事にしたいと思います。

販売促進については、下記の記事でも話しをしていますので参考にされてください。

第13回「売れる」売り方について考えてみよう!
第14回「販売促進」って何をすること?

新商品の開発のポイントシリーズはこれで終わりです。皆様が商品開発をする際、少しでもお役に立てる部分があれば幸いです!